おすすめのフリーサウンドフォント
無料でダウンロードできるサウンドフォントのうち、使う価値のあるものを選びました。GM 音源のセットから、ピアノ・ギター・ドラムの単体の楽器、チップチューン用までです。どれも作者自身のページから無料で手に入り、ライセンスで何ができるかも書いています。「無料でダウンロードできる」は「無料で曲に使える」とは限らないからです。
執筆:Aiden Shihadeh(simpleSF2 の開発者)· 公開
まとめ
| 用途 | サウンドフォント | サイズ | ライセンス |
|---|---|---|---|
| GM 音源(まずはこれ) | GeneralUser GS | 32 MB | 商用可 |
| オープンな GM 音源 | MuseScore General | 206 MB | MIT |
| 小さめのピアノ | Upright Piano KW | 27 MB | CC0 |
| グランドピアノ | Salamander Grand Piano | 296 MB | CC BY 3.0 |
| ナイロンギター | Spanish Classical Guitar | 9.5 MB | CC0 |
| エレキギター | FSBS Electric Guitar Clean | 6.3 MB / 129 MB | CC0 |
| 生ドラム | MuldjordKit | 53 MB | CC BY 4.0 |
| オーケストラ | VSCO 2 Community Edition(SFZ) | 約3 GB | CC0 |
| チップチューン | YaruChipFont | 13 MB | 商用可 |
| 昔のゲームの MIDI | Arachno SoundFont | 136 MB | 非商用のみ |
「商用可」は、販売する曲にも使えるという意味です。CC BY のものも、作者の名前を書けば販売する曲に使えます。細かい条件は下のそれぞれの説明にあります。
選んだ基準
ここに挙げたサウンドフォントは、どれも作った本人かプロジェクトのページから無料でダウンロードでき、ライセンスも一緒に公開されています。サイズはそのページに載っている SF2 のダウンロードサイズです。市販のゲームから音を抜き出した「吸い出し」のサウンドフォントは入れていません。作った人が音の権利を持っていないので、公開する曲に使えるかどうかがはっきりしないからです。リンクはファイルへの直リンクではなく作者のページにしているので、いつでも最新版とライセンスの本文を確認できます。
サウンドフォントそのものについてはサウンドフォント(SF2)とはで説明しています。
simpleSF2 なら、このリストのサウンドフォントをどれも Windows・macOS・Linux の DAW で鳴らせます。 無料でダウンロード
複数のライブラリ、16 チャンネルのマルチティンバー、リバーブとコーラスを £9.99 でアンロックできます。買い切りです。
アンロックする — £9.99GM 音源(General MIDI のセット)
GM のバンクには、標準の128音色とドラムセットが全部入っています。Domino で打ち込んだデータも、ネットで見つけた MIDI ファイルも、そのまま正しい楽器で鳴ります。1つで全部まかないたいなら、ここから選んでください。
GeneralUser GS
S. Christian Collins が長年手を入れ続けている GM バンクです。GM の128音色に加えて、GS の並びで146のバリエーション音色と 13のドラムセットが入っていて、それでも 32 MB に収まっています。楽器どうしがミックスの中でなじむように調整されていて、最初の1つとしてよく勧められるバンクです。GS の並びなので、GS のバリエーション音色やドラムセットを指定したデータもそれらしく鳴ります(ただし SC-88Pro そのものの音ではありません)。サイト内のオンライン MIDI プレイヤーはこのバンクで MIDI ファイルを鳴らすので、ブラウザですぐ聴けます。
- サイズ:32 MB(SF2)
- 向いている用途:MIDI ファイル、Domino での打ち込み、ゲーム音楽、GM 全般
- ライセンス:自分の曲になら、個人でも商用でも使えます(GeneralUser GS License v2.0)。
- 注意:SoundFont のモジュレーターをほかより多く使っているので、プレイヤーによって鳴り方が変わります。作者は FluidSynth 系と BASSMIDI 系(VirtualMIDISynth もこちら)のプレイヤーを正確だとしています。simpleSF2 は GM の全プリセットを FluidSynth と聴き比べて合わせたので、シンセ系の効果音いくつかを除けばほぼ同じに鳴ります。
- ダウンロード:schristiancollins.com/generaluser
MuseScore General と FluidR3 GM
Frank Wen の FluidR3 GM は昔からある GM バンクで、MIT ライセンスで公開されています。日本語のまとめ記事でもよく名前が挙がります。MuseScore General は、それを S. Christian Collins が手直ししたもので、MuseScore が標準の音として使っていました。どちらも GeneralUser GS より大きく、素直な音です。ライセンスで迷いたくないならこちらを選んでください。
- サイズ:MuseScore General は 206 MB(SF2)または 38 MB(SF3)、FluidR3 GM は 148 MB
- 向いている用途:楽譜ソフトでの再生、オーケストラのスケッチ、手堅い GM バンクとして
- ライセンス:MIT。何に使ってもかまいません。ファイル自体を再配布するときは著作権表示を残します。
- ダウンロード:MuseScore のサウンドフォント配布ミラー。FluidR3 GM は Linux
のパッケージ(
fluid-soundfont-gm)に入っているので、Windows や Mac なら MuseScore General を使うのが手軽です。
Arachno SoundFont
Maxime Abbey の GM バンクで、昔のゲームの MIDI を鳴らすのが好きな人に人気があります。128のプリセットと9のドラムセットが入っていて、往年のシンセから取ったものを含め、いろいろな出どころのサンプルを集めて作られています。
- サイズ:136 MB(SF2)、sfArk 形式なら 79 MB
- 向いている用途:MIDI ファイル、DOS や90年代のゲーム音楽
- ライセンス:非商用のみ。ほかの人のライブラリから取った部分があるため、作者は個人的・非商用の利用に限って配布しています。販売したり収益化したりする曲には、GeneralUser GS か MuseScore General を使ってください。
- ダウンロード:arachnosoft.com
SC-88Pro や SC-55 のサウンドフォントについて
SC-88Pro の音をサウンドフォントで、と探す人は多いのですが、出回っているものはどれもファンの手作りです。たとえば SC-55 の音色 ROM
から変換したものや、Windows に入っている Microsoft GS Wavetable Synth の音色(ローランドが Microsoft
にライセンスした GS 音色で、msgs.sf2 などの名前で SF2 にしたものが出回っています)から作ったものがあります。
どちらもサンプルの権利はローランドにあり、ローランドの許可は出ていません。家で昔のゲームや MIDI ファイルを聴くぶんにはいいのですが、公開する曲や配布するゲームには使わないでください。また、サンプルが同じでも、実機のフィルターやエンベロープ、リバーブやコーラスまでは再現されないので、実機とまったく同じ音にはなりません。
- 本物の音が欲しい:中古の SC-55・SC-88・SC-88Pro を USB MIDI インターフェイスでつなぐのが確実です。ローランドのソフト版 Sound Canvas VA(SC-55・SC-88・SC-88Pro・SC-8820 のマップ付き)は2024年9月1日に販売が終わりましたが、持っている人は今も使えます。
- SC-55 をそのまま鳴らしたい:実機のファームウェアを動かすエミュレーター Nuked SC-55 があります。自分の SC-55 から吸い出した ROM が必要で、対象は SC-55 系だけです(SC-88Pro は対象外)。
- 公開する曲で GS らしい音が欲しい:ライセンスのはっきりした GeneralUser GS が安全です。
Sound Canvas VA のほかの選択肢は Sound Canvas VA の代わり(英語)にまとめています。
古い記事でよく見る SGM-V2.01 について
日本の DTM 系の記事では、GM バンクの SGM-V2.01 もよく勧められています。大きめでよくできたバンクですが、作者の配布ページはもうなく、今はアーカイブサイトに残った写しから手に入れるしかありません。ライセンスも示されていないので、このリストには入れていません。聴いて楽しむぶんにはかまいませんが、公開する曲には上のバンクを使うほうが無難です。
ピアノ
Upright Piano KW
FreePats プロジェクトが、リビングに置かれたカワイのアップライトピアノを録音したものです。あたたかく少しこぢんまりした音で、どこでも気軽に読み込める軽さです。
- サイズ:27 MB(SF2、ベロシティ2段階)、5.8 MB の小さい版もあります
- 向いている用途:Lo-Fi、弾き語りの曲作り、やわらかいピアノのパート
- ライセンス:CC0(パブリックドメイン)。クレジット表記も要りません。
- ダウンロード:FreePats のピアノのページ
Salamander Grand Piano
Alexander Holm がヤマハ C5 のグランドピアノを16段階のベロシティで録音したものです。無料のピアノの中でもいちばん細かく録られている部類で、SF2 版も同じ FreePats のページにあります。
- サイズ:296 MB(SF2)。元の SFZ 版は 394 MB〜1.2 GB
- 向いている用途:ピアノソロ、バラードなど、ピアノが前に出る曲
- ライセンス:CC BY 3.0。商用でも使えますが、リリースの説明欄などに Alexander Holm の名前を書きます。
- ダウンロード:FreePats のピアノのページ
ギター
Spanish Classical Guitar
FreePats がナイロン弦のクラシックギターを録音し、整えたものです。
- サイズ:9.5 MB(SF2)
- 向いている用途:指弾きのパート、ボサノバ、RPG の町の曲
- ライセンス:CC0
- ダウンロード:FreePats のナイロンギターのページ
FSBS Electric Guitar Clean
フェンダーのエレキギターをライン録りしてアンプを通したもので、2026年8月に更新されました。同じページに、ジャズ向けの版と、自分のアンププラグインを通すための素の版もあります。
- サイズ:6.3 MB(小さい SF2)または 129 MB(フル版 SF2)
- 向いている用途:クリーンなカッティング、ファンク、シティポップ
- ライセンス:CC0
- ダウンロード:FreePats のエレキギターのページ
ドラム
MuldjordKit
Lars Muldjord が録音した生ドラムのフルセットです。キック2つ、タム4つ、スネア、ハイハット、シンバル5枚で、ベロシティごとの録音も入っています。FreePats が DrumGizmo 用の元のキットを、ステレオのサウンドフォント1つにまとめ直しました。
- サイズ:53 MB(SF2)
- 向いている用途:ロック、ポップス、インディーのドラム
- ライセンス:CC BY 4.0。商用でも使えますが、Lars Muldjord の名前を書きます。
- ダウンロード:FreePats のドラムキットのページ
GM のドラム配置で打ち込むなら、GeneralUser GS や MuseScore General に入っているドラムセットから始めるのもいいと思います。
オーケストラ
VSCO 2 Community Edition
Versilian Studios の無料の室内オーケストラで、弦、木管、金管、打楽器、ハープなどがそろっています。SF2 ではなく SFZ 形式ですが、両方開けるプレイヤーなら問題ありません。
- サイズ:Versilian Studios によると、サンプルが約3 GB
- 向いている用途:映像やゲームの BGM、やわらかいオーケストラ曲
- ライセンス:CC0。決まりごとも使用料もありません。
- ダウンロード:versilian-studios.com
ハープだけ欲しいなら、Versilian のサンプルから作られた 9.1 MB で CC0 の Concert Harp が FreePats にあります。
チップチューン・レトロ
YaruChipFont
Gun Princess のサウンドトラックを手がけた作曲家 Yal による、ファミコン風のチップチューン音色39種です。速いメロディーやはねるベースに向いた、短く切った版も入っています。ドラムは入っていないので、ドラムはほかから持ってきます。
- サイズ:13 MB(SF2)
- 向いている用途:8ビットのメロディーとベース、ゲームジャム
- ライセンス:無料(価格は自分で決める方式)。販売する曲や作品にも使えますが、サンプルそのものを配ってはいけません。
- ダウンロード:yaru.itch.io
プレイステーションの音を目指すなら、サンプルだけでは半分です。PS1 風の曲の作り方(英語)と、PS1 風のシンセとエフェクト simpleSPU もどうぞ。
フリーサウンドフォントの使い方
ダウンロードしたものの多くは .7z、.tar.xz、.zip の圧縮ファイルです。先に解凍してください。Windows なら 7-Zip、Mac なら The Unarchiver か Keka、Linux ならファイルマネージャーで開けます。.sfArk
のファイルは、無料のエディター Polyphone で開いて SF2
として保存し直します。
DAW で使う
- simpleSF2 をインストールして、インストゥルメントトラックに挿します。
- Import SF2/SFZ をクリックして、
.sf2ファイルか、SFZ のフォルダーの中の.sfzファイルを選びます。 - プリセットを選んで弾きます。
DAW ごとの手順(英語):FL Studio・Ableton Live・Logic Pro・REAPER・GarageBand・Cubase・Studio One
Domino で使う(Windows)
Domino はサウンドフォントを直接読み込めないので、無料の CoolSoft VirtualMIDISynth を通して鳴らします。VirtualMIDISynth の設定画面でサウンドフォントを追加し、Domino の環境設定(F12)の MIDI-OUT で「VirtualMIDISynth #1」を選びます。手順はサウンドフォント(SF2)とはに詳しく書いています。
MuseScore で使う
MuseScore 4 では、ファイルを MuseScore のウィンドウにドラッグするか、書類フォルダーの MuseScore4/SoundFonts
に入れます。ミキサー(F10)で楽器ごとにサウンドフォントを選べます。MuseScore は SF3 も開けるので、MuseScore General
の 38 MB の SF3 版が使えます。
よくある質問
フリーのサウンドフォントを販売する曲に使える?
値段ではなくライセンス次第です。CC0 と MIT のサウンドフォントは何にでも使えます。CC BY のものも、作者の名前を書けば使えます。Arachno をはじめ、ダウンロードサイトにあるサウンドフォントの多くは非商用のみで、ゲームからの吸い出しやローランドの音源から取ったものはライセンスそのものがありません。曲を公開する前に、作者のページを確認してください。
ピアノのおすすめは?
容量に余裕があれば Salamander Grand Piano、軽いものが良ければ Upright Piano KW です。どちらも FreePats にあります。
軽いサウンドフォントは?
GM のセットなら、32 MB の GeneralUser GS が軽さと音のバランスがいちばん良いと思います。もっと小さいものなら、6 MB の TimGM6mb のような GM バンクもありますが、サンプルが短いぶん音は簡素です。
安全にダウンロードできる場所は?
作者自身のページか、ライセンスを確認している FreePats のようなプロジェクトです。大きなサウンドフォントのまとめサイトには、オリジナルの作品と、吸い出しや市販のサンプルが、ライセンスの情報なしに混ざっています。
サウンドフォントを複数同時に使える?
使えます。simpleSF2 は無料版でもインスタンスごとに1つのライブラリを読み込めるので、サウンドフォントごとにインスタンスを分けます。£9.99 の買い切りアンロックで、1つのインスタンスに複数のライブラリを読み込み、16 の MIDI チャンネルにそれぞれ別のプリセットを割り当てられます。